2010/03/21

サバイバルプラン




1年ぶりくらい久々にこのブログを書いている。

ここ最近は個人的にもどう生きて行くかを深く考えているけど、それはアートにも同じことが言えているようだ。

今朝、twitterのつぶやきをチェックしていたら非常に面白そうなトピックを発見したので覗きに行くことにした。

秋葉原と神田の間に今年から出来たオルタナティブなアートセンターとして機能することを目指した施設だ。元々は学校であり、千代田区のリノベーションプロジェクトの一環としてスタートしたらしい。

 この施設では常に様々なイベントが企画されているようなのだが、とりわけ昨日行われたセッションは興味深いものであった。『サバイバル・プロジェクト~現代美術の機関はいかにしてインディペンデントでいられるのか?~」と題して行われたトークセッションでは、アートセンターやアートプロジェクトがどうしたらインディペンデント(独立的)でサステイナブル(持続可能)な存在になれるかが議論された。このセッションは台湾に新たに出来た台北コンテンポラリーアートセンターのアーティスト、キュレーターたちによって企画され、日本側のゲストには3331のディレクターや森美術館のキュレーター、AITのキュレーターなど現代日本のオルタナティブなアートシーンを牽引する人たちも参加して行われた。

 セッションを通じて思ったのは、やはり日本でも台湾でもアートは環境は脆弱であるという事実だ。彼ら(TCAC)がインディペンデントで在りたいと強く思う理由の一つは政府や行政、企業に依存した従来のシステムからの自立である。特に台北のアーティストやキュレーターからはその意思が強く感じられた。台湾では日本よりもアーティストが政府に頼り切ってしまう状況が見られているためアーティストの立場が非常に弱いという問題点があるようだ。そこで、TCACは3331で東京オフィスを立ち上げ日本のオルタナティブでインディペンデントなアートセンターのオペレーションを学び取ろうとしているようだ。
ただ、日本の現状もそこまで良いものではなく、東京を中心にこの様なオルタナティブな動きはあるものの全国的なムーブメントに至っているわけではないと感じる。僕が昨年居た札幌でもそれは同じで、地方のアートシーンの方が深刻な問題を抱えていることの方が常である。そもそもアートがアーティストだけのものと成らず社会により開かれたモノ(パブリック)としての在り方を模索し、実行するときに来ているのだろう。

今年は台湾のシーンからも目が離せない一年になるのかもしれない。




詳しいセッションの内容はこの下にあるtogetterに色々とつぶやいているので見てほしい。



セッション後には同じ3331で行われている日本各地と東京を結ぼうというプロジェクト
「insideout project」にも無料とのことなので参加してきた。「っえただ?」って思ってしまうほどの豪華な各地の名産が料理として振舞われた。
企画自体はアサヒアートフェスティバルに似ているところもあったが、場所が違うと雰囲気も変わって良いものだ。東京を拠点に地方を繋いでしまおうという視点が憎い。


CC by nari miyoshi